成年後見制度を検討している家族の方へのQ&A(2024.6.19コラム)

雨の日も多くなってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

京都市伏見区の「オギ法律事務所」の弁護士の荻原です。

私事ですが、令和6年6月12日、

特定非営利活動法人(NPO法人)あい・ライフ・サポートシステムズの理事長に就任いたしました。

この法人は、「高齢者の支援を通じて、誰もが安心して暮らし続けられる

地域づくりを目指して」を理念として活動しております。

今年度(令和6年度)は

(1)年1回の市民向けセミナー

(11月12日(火)午後6時30分開始。テーマは成年後見を予定)

(2)病院・施設への訪問相談活動の企画・開始

(3)年3回 会員向けの勉強会・交流会の実施

    (直近は9月10日(火)午後6時30分開始)

を実施する予定です。

 興味のある方は、是非、私のメールアドレス

ogihouritu@yahoo.co.jp

にご連絡頂きたく存じます。詳細なご案内をさせていただきます。

さて、上記のNPO法人でも、オギ法律事務所でも

成年後見制度に関する相談を受け付けております。

また、昨年の4月1日から

京都弁護士会 高齢者・障害者支援センター運営委員会の副委員長に就任し

同弁護士会の高齢者・障害者支援の活動に携わっています。

そのなかで、やはり、成年後見制度の利用に不安を有するご家族様の方からの声を多くお聞きしております。

そこで、今回のコラムでは、

「成年後見制度を検討している家族の方へのQ&A」と題して、

多くの方が持っている疑問に対し回答したいと思います。

Q1:成年後見の審判がなされてしまうと、被後見人は全然お金を使えなくなってかわいそうな人生になってしまうのではないですか?

A1:そのようなことはございません。

  成年後見人は、本人の意思や推定的意思を尊重し、収入や資産を活かし、本人のために最善の生活を営むことができるように財産管理や身上監護を行っていきます。

   成年後見人を通じて、被後見人のために有意義な支出をしていくことが、成年後見制度の目的なのです。

 もし、「本人のために財産が使われていない」と感じた場合は、遠慮なく、成年後見人や家庭裁判所に相談されることをお勧めいたします。

Q2:被後見人の収入や財産がないと正直なところ生活できないです。

A2:原則として被後見人の収入や財産は被後見人のために用いるものです。

 ただ、扶養義務の範囲内で、被後見人の収入や財産の一部を親族に交付できる場合もございますので、成年後見人と相談されることをお勧めいたします。

Q3:成年後見制度を利用すると成年後見人への報酬で被後見人の財産が減少してしまいます。かわいそうだし納得できないです。

A3:この問題が確かに成年後見制度では大きいです。

 ただ、私が専門職として成年後見人を担当する場合は、できるだけ被後見人の財産を有効に用い、活用し、その対価として家庭裁判所が認めた報酬を頂くことを意識しております。

 財産も、使えなければ本人のためにはなりません。報酬がかかることも、むしろ財産活用のために必要なものと、プラスに考えることも可能ではないでしょうか。

Q4:成年後見人による横領が心配なので利用したくないです。

A4:横領を行う専門職は、ごく一部にすぎません。

また、成年後見制度を利用しない場合、財産を管理する人への家庭裁判所の監督がなされないため、かえって本人の財産を管理する者による横領がなされる危険が大きいです。

Q5:「成年後見制度は使わない方がいい」とよく言われますが、本当でしょうか。

A5:正直なところケース・バイ・ケースです。

  確かに、成年後見制度を利用する必要がない、あるいは利用しない方がいいケースも存在いたします

  ただ、特に以下の場合は、専門家が本人の財産を管理し、今後の生活を一緒に考えていける点で、成年後見制度を利用するメリットが大きいです。そのため、費用等の問題はあるにせよ、積極的に利用を検討し、相談されることをお勧めいたします。

【成年後見制度を利用するメリットが大きい場合】

 (1)障害を有する子がいる家庭で「親亡き子」の財産管理・身上監護を考える必要がある場合

   (当初から専門職後見人を選任しておく方法と、まず親が成年後見人になっておき、死亡後に家庭裁判所に後任を選任してもらう方法の二つが考えられます。)

 (2)本人の判断能力が低下し、浪費していることが疑われる場合

 (3)親族・支援者・財産管理者が本人の財産を浪費し、経済的虐待等を行っているおそれがある場合

 (4)同居親族が本人の収入をあてにして生活している場合

 (5)遺産分割を行わなければならない場合

Q6:相談はどの段階であれば可能ですか?

A6:(1)成年後見を検討しようとしている場合

  (2)任意後見契約を検討している場合

  (3)本人の財産が減少しているか不安な場合

  (4)成年後見人の後見活動に疑問や不満がある場合

  (5)成年後見人が本人の財産を管理した結果生活が苦しくなった場合

  などの場合で可能です。

   一言でいえば『どの段階でも相談は可能』ですので、是非、オギ法律事務所にご相談されることをお勧めいたします。

   このコラムを見たと言っていただければ、相談料は初回30分無料とさせていただきます。

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